ジムのロッカーにて良く聞く会話で、「今日どこの日?」
「オレ今日は胸」
「マジか~。オレ今日、脚の日なんだよな~。キッツいわ」
何ていう会話を耳にします。まぁどこでも聞けるジムでの会話あるあるでしょうね。このサイトを読まれている方でも、このような会話をした事が有る方もいらっしゃるのでは無いでしょうか?
要するに、ボディビルダーが行なっているような1週間に1部位ずつと言った考え方です。
で、質問です。
週に1回のベンチプレス(以下、本文BP)をしている人と週に3回BPを行なっている人。胸の筋力が強くなるスピードはどちらが速いでしょ~か?
この質問を実際に知り合いにすると、皆さん揃って週3回だと答えます。これって、何か矛盾してると思いませんか?というのが、今回からの連載です。ちなみに上記の質問に対して『前提条件が違う。週1の場合は色々バリエーションを付けてやってるから質問自体がオカシイ』と思った方。間違って無いですが、まぁご覧ください。
分割トレーニングは効率的か?
例題として、みんな大好き胸のトレーニングで考えてみます。本記事では、全体通して胸のトレーニングで書いていきますが、その他の部位も大体同じように考えてもらって大丈夫です。
胸の代表的なトレーニングで言えば、
- ベンチプレス
- マシンフライ
- ダンベルフライorプレス 等
上記のような構成で考える方が、多いのでは無いでしょうか?上から、最重量が扱えるトレーニング・絞り込む種目・ストレッチ種目と言った具合ですね。以前にネット上ではそこそこ有名な方のブログで、ベンチプレスで胸のボリュームを作って、フライ等で形を整えるという記事を読んだ事があります。
一般的な分割トレーニングを図にしてみました。見づらいですけど我慢してご覧くださいませ。
上記のような感じですかね?1日1部位から2部位の方が多いと思いますが、わかりやすく胸と背中と脚で書いてみました。こういったトレーニングのやり方だと、ベンチプレスで疲労した状態で、更にマシンフライで追い打ちをかけ、更に疲労した状態でダンベルフライを行う事になります。
で、これをどういじるかと言うと。
上記のような状態にしてみては、いかがでしょうか?こうすると、少なくとも中1日空いた状態になるので、幾分疲労回復した状態でトレーニングに臨めます。こっちの方が1週間単位で見た時にトレーニングボリュームが増えます。
現状わかっている範囲では、トレーニングボリュームが大きいほど筋力・筋肥大効果は高いとの事ですので、こちらの方が効率的だと思いませんか?
で、
せっかく回復しているにも関わらず、わざわざダンベルプレスやマシンフライのように細かい箇所を鍛える必要はなく、最大限の負荷をかける事が出来るように、以下のようなプログラムでも可能なはずです。
こうなると、いつまでもトレーニングにバリエーションが付けれないように見えますが、ご安心ください。
その内、出来なくなります。
個人的には、ここからが初心者卒業ラインであり、地獄の中級者入り口です。何で、中級者が地獄かって?伸び率が初心者の頃に比べて低いからですよ!出来ればずっと初心者で居たいよ!バカみたいにやればやるだけ、伸びる人間で居たかったよ!
と、心の声がダダ漏れた所でバリエーション導入期の解説です。
バリエーションの導入期
ある程度順調に記録が伸びて行くと、週3回のBPがきつくなってきます。これは、トレーニングボリュームと回復力の釣り合いが逆転してくるから起こる現象です。
トレーニングボリュームと回復力
例えば初心者の頃に行なうBPが、50Kg×8回×3セットとして、合計の仕事量は1200Kgという仕事量になります。これが、ある程度成長して80Kgでセットが組めるようになると、1920Kgになります。
この頃にはBPでの1Rep Max(1回の限界値)が100Kg超えるようになってるはずです。BP以外でのトレーニング種目も偏り無く全身を鍛えていれば、かなりの良い体になっている事でしょう。で、こうなってくると週3回のBPがキツくなります。
例として、75Kg×8回×3setまでは素直に出来ていたと仮定すると、アナタの中1日での回復力は、1800~1920までの間という計算になります。この状態でトレーニングを続けていけば、回復していない間に更に追い打ちをかけていく事になるので、その内オーバートレーニング状態に陥ります。
で、バリエーションを付けて回復が追いつく状態を作りつつ、成長を維持させて行くわけです。
バリエーションの考え方例
1回のトレーニングで自分自身に与えられる刺激が、自身の回復キャパを超えてきた段階でお待ちかねの?バリエーション編です。考え方の一例として、色々載っけて見たので参考にしていただければ幸いです。
強度をイジる
パワーリフターの方や、BPの魔力に取り憑かれ、週に3回はBPやらないと死んじゃう><って方は、トレーニングボリュームを抑えつつの継続をオススメします。
例えばの考え方として、80kg×8回×3setの中程度の重量と3回3set程度で限界値が来るような、高重量にチャレンジを1回ずつの交互にする等が良いでしょう。
こうすると、高重量トレの時にボリュームが抑えられて強度が増えます。上記の80Kg×8回×3setがギリギリ出来るか出来ないか程度の筋力でザッと計算してみると、1RMが100kg程度になるので、3回×3setがギリギリ出来る重量計算は、93Kgになります。
もちろん上記の計算でも個人差は出ますので、皆さんがジムにて適宜テストしながら、試してみてください。
93Kg×3回×3setとの場合のトータルボリュームは、837Kgです。普段の1日のボリュームから半分以下に抑える事が出来ました。ただ、関節や腱には今までかかった事の無い負荷がかかりますし、3回が限界の重量はかなりの重さに感じると思うので、実際に導入する最初の内は、特に安全に心がけて導入してみてください。
バリエーションをイジる
その内細かく説明予定ですが、ここでは簡単に解説します。
BPのバリエーションで言えば、インクラインベンチプレスや、デクラインベンチ。広義の意味ではオーバーヘッドプレスもこれに入ります(プレス種目という意味で)
通常のフラットBPに比べて、インクラインベンチプレスの方が、重量は落ちるのでこれもトータルボリュームを抑える意味では効果的です。
ベンチプレスは要注意
本記事を通してBPで説明してますが、ちょっと注意点があります。バリエーションを付ける意味では、デクラインプレスやディップスもそれらにあたります。これらはBPよりも高重量が扱える方も多いでしょう。ディップスは特にそうですが、高重量が扱えるうえに自体重(+荷重)のバランスコントロールもしなければいけない為、BPよりもキツい種目になります。
ディップスはとても良い種目ですが、導入の際はオーバートレーニングに注意して行ってください。
BP以外だと、スクワットもそうですね。普段はハイバースクワットでやっていて、バリエーションでローバースクワットを入れると使用重量が増えるかと思います。この場合でもトータルボリュームに注意しながら、トレーニングしてみてください。
用具をイジる
例えば、バーベルトレーニングとダンベルトレーニングを1回ずつや、1回はマシンプレスを入れる等がこれにあたります。
やらない
もちろんこれも有りです。週2回のトレーニングで充分に成長が維持できて、他に集中してやりたい種目があったりするならば、当然の選択肢になります。
ここから更に成長すると・・・
ここから更なる成長を遂げると、いわゆる期分けの考え方や分割トレーニングの域に突入するかなと思っておりますが、まぁ相当先で良いです。大会出場にかけてのトレーニングプログラムやスポーツ選手が行うような期分けの考え方の事は、私では役者不足ですので誰か書いてください。わかりやすく文章の編集はします。
本記事では、社会人や学生をしながらのリクリエーションリフター向けの記事ですが、上記の考え方の方が効率的かなとは思います。次回記事では、レクリエーションリフター向けのプログラムと分割トレーニングをオススメしない理由を書いていきます。